
初任給が入ると嬉しい反面、「貯金っていつから、いくらすればいいんだろう?」とちょっと不安になりますよね。周りに聞きにくいテーマだからこそ、データと一緒に整理しておきましょう。
先に結論をお伝えします。20代単身の貯金の中央値は37万円、平均は255万円[^1]。ただし新社会人がいきなりこの数字を目指す必要はありません。まず狙うべきは、もっと手前の「生活防衛資金」です。順番に説明します。
金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2025年」によると、20代単身世帯の金融資産(預貯金+保険+投資などの合計)は、平均255万円・中央値37万円です[^1]。
平均を見ると「新社会人でそんなに!?」と焦りますが、これは一部の貯めている人に引き上げられた数字。実態に近い中央値は37万円です。しかも同じ調査で、20代単身の33.2%=約3人に1人は貯金ゼロ[^1]。社会人になりたてで貯金がほぼゼロでも、それはまったく普通のことなので安心してください。20代全体の詳しい事情はこちらでも解説しています。

中央値37万円を意識するのは大事ですが、新社会人が最初に狙うべきは生活防衛資金です。これは、病気やケガ、急な退職などで収入が止まっても生活を維持できる、いわば「お守り」のお金。目安は生活費の3〜6ヶ月分です。
たとえば毎月の生活費が15万円なら、まずは45万〜90万円がゴール。いきなり満額は無理でも、この存在を知っておくだけで貯金の方向性が定まります。まずは中央値37万円をクリアし、その勢いで生活防衛資金を積み上げていくイメージです。
新社会人にいちばんおすすめなのが、社会人1年目から「先取り貯金」を習慣にすることです。生活水準が上がりきる前に仕組みを作れるので、いちばんラクに貯められます。
具体例で考えましょう。手取り18万円の人が、給料日に自動で1.8万円(手取りの1割)を別口座へ移す設定にする。これで年間約21.6万円、2年目には中央値37万円を超えます。会社に財形貯蓄や自動積立の制度があれば、それを使えば「手をつける前に貯まる」状態を作れます。「余ったら貯める」だと絶対に余らないので、先に引いてしまうのがコツです。
給料の手取り額や生活費の全体像がまだピンとこない人は、一人暮らしの生活費の内訳も見ておくと計画を立てやすくなります。

新社会人の最大の武器は、時間です。生活防衛資金が貯まったら、その先はつみたてNISAなどで少額から運用を始めると、20代から40年近い運用期間が取れます。同じ積立額でも、始めるのが早いほど複利で大きく育ちます。毎月いくらから始めればいいかの目安はこちらです。

要点を整理します。
Q. 新社会人の貯金はいくらが目標?
まずは生活防衛資金(生活費の3〜6ヶ月分)が目標です。その手前の分かりやすい目安として、20代単身の中央値37万円をクリアするところから始めるとよいでしょう。
Q. 新社会人で貯金ゼロはまずい?
まずくありません。20代単身の33.2%、約3人に1人が貯金ゼロです。大事なのは今の残高より、先取り貯金の習慣を早く作ることです。
Q. 毎月いくら貯金すればいい?
手取りの1割が始めやすい目安です。手取り18万円なら月1.8万円で、2年目には20代の中央値37万円を超えられます。まずは無理のない額を自動積立にするのがコツです。
本記事の金融資産保有額は、金融経済教育推進機構(J-FLEC/旧・金融広報中央委員会)「家計の金融行動に関する世論調査2025年(単身世帯調査)」(2025年12月公表)によるものです。「金融資産」は預貯金・保険・有価証券などを合計した額で、数値は「金融資産を保有していない世帯を含む」ベースです(金融資産非保有は、運用や将来に備える金融資産を保有していない世帯を指す調査区分で、本記事では「貯金ゼロ」と表記しています)。手取り額や生活費の例は、金額の考え方を示すための本記事の試算です。
[^1]: 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2025年(単身世帯調査)」。20歳代の金融資産保有額は平均255万円・中央値37万円。金融資産非保有(保有していない)世帯の割合は20歳代で33.2%。