
「同期って、実際いくら貯金してるんだろう?」
一度は気になったこと、ありませんか。でも面と向かって「貯金いくらあるの?」なんて聞けないし、SNSを開けば旅行や投資の成功話ばかり。なんだか自分だけ出遅れている気がして、地味に落ち込む。めちゃくちゃわかります。
そんなあなたに先に結論をお伝えします。20代の貯金額は、単身世帯で中央値37万円、二人以上世帯で中央値125万円です[^1][^2]。もし「20代の平均は255万円」という数字を見て焦っていたなら、その必要はありません。なぜ「平均」を気にしなくていいのか、これから具体的に説明していきます。
まず数字から見ていきましょう。金融経済教育推進機構(旧・金融広報中央委員会)の「家計の金融行動に関する世論調査2025年」によると、20代が持っている金融資産(預貯金に加えて、保険や投資も合わせた額)はこうなっています。
| 20代 | 平均値 | 中央値 |
|---|---|---|
| 単身世帯(一人暮らしなど) | 255万円 | 37万円 |
| 二人以上世帯(夫婦・実家暮らしなど) | 525万円 | 125万円 |
注目してほしいのは、平均値と中央値の差です。単身世帯だと、平均255万円に対して中央値は37万円。その差はおよそ7倍。「平均」と聞くと"ちょうど真ん中くらい"のイメージを持ちがちですが、実態からは大きくかけ離れているのが分かります。
からくりはとてもシンプルで、平均値は一部の「たくさん貯めている人」に引っ張り上げられるからです。
具体例で考えてみましょう。友達5人で集まっているとします。4人の貯金がそれぞれ10万・20万・30万・40万円で、残りの1人が高収入や親の援助で1,000万円持っていたとします。この5人の平均を計算すると220万円。でも「220万円が普通だよ」と言われて、4人は納得できるでしょうか。「いやそんなに持ってないって…」となりますよね。
一方、5人を金額の少ない順に並べたとき、ちょうど真ん中に来る人の額=中央値は30万円。こっちの方が、よっぽど「みんなのリアル」に近い数字です。
これが、当サイトが平均ではなく中央値を大事にしている理由です。20代の貯金でもまったく同じことが起きていて、「中央値37万円」こそが等身大の数字。だから平均255万円を見て「自分はダメだ」と落ち込む必要は、まったくありません。
ちなみに、20代だけでなく全年代の平均・中央値をまとめて見比べると、この「平均マジック」がどの世代でも起きているのがよく分かります。年代別の一覧はこちらで解説しています。

もうひとつ、少し心が軽くなるデータを紹介します。同じ調査では、20代の単身世帯の33.2%=約3人に1人が「金融資産を保有していない(貯金ゼロ)」と回答しています[^3]。二人以上世帯でも21.6%が同じ回答です。
つまり、中央値が37万円という低めの数字の裏には、「そもそもまだ貯金を始められていない人」がかなりの割合で存在しているということ。もし今のあなたの貯金がゼロに近くても、それは決して落ちこぼれではなく、20代ではごくありふれた状態なんです。
ただし、ここで「みんなゼロなら安心」と止まってしまうと、30代・40代で周りと大きく差がつきます。中央値は年代が上がるごとに着実に増えていくので、20代のうちに「貯める仕組み」を作れたかどうかが、その後を左右します。
「中央値37万円を超えたい」と思ったとき、いきなり大きな金額を目指す必要はありません。ポイントは、残ったお金を貯めるのではなく、先に貯金を天引きしてしまう「先取り貯金」です。
たとえば手取り22万円なら、その1割の月2.2万円を、給料日に別口座へ自動で移す設定にする。これだけで年間約26万円貯まり、1年ちょっとで20代単身の中央値37万円に到達します。「余ったら貯める」だと、たいてい余らないので、順番を逆にするのがコツです。
さらに、その一部をつみたてNISAのような制度で運用に回すと、時間を味方につけてお金が育ちます。20代は"時間"という最強の武器を持っているので、少額でも早く始めるほど有利。毎月いくらから始めればいいかは、こちらの記事で年代別の目安を解説しています。

最後に要点を整理します。
Q. 20代の貯金は平均と中央値、どちらを目安にすべき?
中央値をおすすめします。平均(単身255万円)は一部の高資産者に引き上げられており、実感からズレます。中央値37万円(単身)の方が、同世代の"真ん中"に近い現実的な目安です。
Q. 20代で貯金ゼロはやばい?
やばくありません。20代単身の33.2%、約3人に1人が貯金ゼロと回答しています。ただし30代以降で差が開くので、今から月数千円でも「先取り貯金」を始めておくと安心です。
Q. 実家暮らしと一人暮らしで貯金額は変わる?
変わります。二人以上世帯(実家含む)の中央値125万円に対し、家賃や生活費がかかる単身世帯は37万円と低めです。一人暮らしはそのぶん固定費の見直しが効いてきます。

本記事の金融資産保有額は、金融経済教育推進機構(J-FLEC/旧・金融広報中央委員会)「家計の金融行動に関する世論調査2025年」(2025年12月公表)によるものです。同調査の「金融資産」は預貯金・保険・有価証券などを合計した額で、いわゆる預貯金だけの「貯金」より広い概念です。本記事では読みやすさを優先し「貯金」と表記していますが、数値はこの金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含むベース)に基づいています。
[^1]: 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2025年(単身世帯調査)」。20歳代の金融資産保有額は平均255万円・中央値37万円(金融資産を保有していない世帯を含む)。
[^2]: 同「家計の金融行動に関する世論調査2025年(二人以上世帯調査)」。20歳代の金融資産保有額は平均525万円・中央値125万円。
[^3]: 同調査。金融資産非保有(金融資産を保有していない)世帯の割合は、20歳代の単身世帯で33.2%、二人以上世帯で21.6%。