
「平均貯金額」「平均年収」――こうした数字を見て、そっと落ち込んだ経験はありませんか。実は、お金の話に出てくる「平均」の多くは、あなたが思う「真ん中」より、かなり高い位置にあります。本当の真ん中を知るには、中央値で見るのが正解です。
この記事は、当サイトが公的データをもとにまとめてきた「お金の中央値」の保存版まとめです。貯金・年収・給料の中央値を一覧で確認して、自分の等身大の立ち位置をつかんでください。
お金のデータで平均が実態からズレるのは、一部のお金持ちが平均を大きく引き上げるからです。
具体例で考えましょう。5人の貯金が10万・20万・30万・40万円、そして1人が1,000万円だったとします。平均は220万円ですが、4人は「そんなに持ってない」と感じますよね。金額順に並べた真ん中=中央値は30万円。こちらのほうが「みんなのリアル」に近い。
お金の分布は、たいてい「低いほうに人が集まり、高いほうへ長く裾を引く」形をしています。この形だと、平均は上に引っ張られ、中央値より高く出ます。だから、自分の立ち位置を知るなら中央値を見るべきなんです。
まずは年代別・世帯別の貯金(金融資産)の中央値です。2025年のJ-FLEC調査に基づきます[^1]。
| 年代 | 単身世帯の中央値 | 二人以上世帯の中央値 |
|---|---|---|
| 20代 | 37万円 | 125万円 |
| 30代 | 100万円 | 311万円 |
| 40代 | 100万円 | 500万円 |
| 50代 | 120万円 | 700万円 |
| 60代 | 300万円 | 1,400万円 |
| 全体 | 130万円 | 720万円 |
平均で見るとどの年代も数百万〜1,000万円超になりますが、中央値はご覧のとおり。「平均に届いていない」のは、むしろ多数派です。年代別の詳しい解説はこちらからどうぞ。



ちなみに、単身世帯では全年代で約3割が「貯金ゼロ」です。焦らず、まずは自分の年代の中央値を目標にしましょう。
次に、年収・給料の中央値です。個人の年収は民間給与実態統計調査[^2]、世帯の所得は国民生活基礎調査[^3]、月々の給料は賃金構造基本統計調査[^4]に基づきます。
| 区分 | 中央値 | 参考:平均 |
|---|---|---|
| 個人の年収(給与所得者) | 約413万円 | 478万円 |
| うち男性 | 約507万円 | 587万円 |
| うち女性 | 約297万円 | 333万円 |
| 全世帯の年収 | 410万円 | 536万円 |
| 現役世帯(高齢者以外) | 573万円 | — |
| 子育て世帯 | 712万円 | — |
| 高齢者世帯 | 253万円 | — |
| 会社員の給料(所定内・月額) | 29.7万円 | 34.1万円 |
個人の年収は、平均478万円に対して中央値は約413万円。平均に届いていない人が約6割います。「平均年収に届かない」のは、まったく普通のことなんです。
自分の年収が全体の何%の位置にあるかは、早見表で一発で確認できます。年収500万円で上位36.7%、年収1,000万円で上位6.2%です。
世帯年収は「全世帯410万円」だけを見ると現役世代は低く感じますが、高齢者世帯を除いた現役世帯なら573万円。自分に近いタイプの中央値で比べるのがコツです。


給料は年代によって大きく変わります。所定内給与額(残業代・賞与を含まない月額)の中央値を、5歳刻みで並べるとこうなります[^4]。
| 年齢 | 中央値(月額) | 真ん中の半分の範囲 |
|---|---|---|
| 20〜24歳 | 23.8万円 | 21.1万〜26.7万円 |
| 25〜29歳 | 26.8万円 | 23.3万〜30.8万円 |
| 30〜34歳 | 29.1万円 | 24.5万〜34.8万円 |
| 35〜39歳 | 31.0万円 | 25.4万〜38.5万円 |
| 40〜44歳 | 32.6万円 | 26.0万〜41.7万円 |
| 45〜49歳 | 33.5万円 | 26.1万〜44.0万円 |
| 50〜54歳 | 34.6万円 | 26.2万〜46.3万円 |
| 55〜59歳 | 34.7万円(ピーク) | 25.5万〜47.8万円 |
| 60〜64歳 | 27.8万円 | 22.3万〜37.4万円 |
| 65〜69歳 | 24.0万円 | 19.8万〜31.2万円 |
注目すべきは2点。ひとつは、55〜59歳の34.7万円が生涯のピークで、60代前半に27.8万円へ約2割落ちること。もうひとつは、右の「真ん中の半分の範囲」が年齢とともに広がっていくこと。20代前半では5.6万円の幅しかないのに、50代後半では22.3万円の幅になります。同じ年代の中で、差がどんどん開いていくのが実態です。
年代ごとの詳しい解説はこちらから。
なお、額面から税・社会保険料を引いた手取りは、額面のおよそ8割が目安です。男女の差についてはこちらで解説しています。


中央値は、知って終わりではなく「使ってこそ」です。次の3ステップで、自分の家計を整えましょう。
まずステップ1、自分に近い中央値を探す。年代・世帯構成・働き方から、いちばん近い中央値を「等身大の基準」にします。平均ではなく中央値と比べるだけで、不要な焦りが消えます。
次にステップ2、手取りを把握する。額面ではなく、実際に使えるお金(手取り=額面の約8割)で家計を考えます。
最後にステップ3、先取り貯金を仕組み化する。手取りの1〜2割を給料日に自動で別口座へ移せば、中央値でも着実に資産は増えます。浮いた固定費を上乗せすれば、さらに加速します。


要点を整理します。
Q. 平均と中央値、どっちを見ればいい?
中央値です。平均は一部の高所得・高資産の人に引き上げられており、多くの人にとって実態からズレます。貯金でも年収でも、真ん中に近いのは中央値です。
Q. 年収の中央値と平均はどれくらい違う?
個人の年収は平均478万円に対し、中央値は約413万円。差は約65万円あります。平均478万円に届いていない人は約6割いるため、届かなくても普通です。
Q. 自分はどの中央値と比べればいい?
年代・世帯構成・働き方がいちばん近い中央値を選びましょう。たとえば30代単身なら貯金の中央値100万円、30代前半の給料なら29.1万円、現役世帯の年収なら573万円、というように「等身大の基準」を使うと正確です。
Q. 中央値を知ったあと、何をすればいい?
手取り(額面の約8割)を把握し、その1〜2割を先取り貯金で自動化するのが王道です。固定費の見直しやNISAを組み合わせると、中央値でも着実に資産を増やせます。
本記事の数値は、金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査2025年」、国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」、厚生労働省「2024年(令和6年)国民生活基礎調査」、厚生労働省「令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査」によるものです。貯金(金融資産)は「金融資産を保有していない世帯を含む」ベース、世帯年収は2023年の1年間の所得、給料は所定内給与額(残業代・賞与を含まない月額)の中位数です。手取り額は額面をもとにした概算です。
なお、個人の年収の中央値(約413万円)は公表値ではなく、国税庁が公表する給与階級別の給与所得者数から当サイトが算出した推計値です。階級の幅が100万円あるため、実際の値とは数万円程度の誤差が生じる可能性があります。
[^1]: 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2025年」(単身世帯調査・二人以上世帯調査)。年代別・世帯別の金融資産保有額の中央値。
[^2]: 国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」(令和7年9月公表)。1年を通じて勤務した給与所得者5,136万人が対象。平均給与478万円(男587万円・女333万円)。中央値および平均未満の割合(60.0%)は、同調査の給与階級別給与所得者数から当サイトが算出した推計値。
[^3]: 厚生労働省「2024年(令和6年)国民生活基礎調査」。全世帯の所得中央値410万円、平均536万円、高齢者世帯以外573万円、児童のいる世帯712万円、高齢者世帯253万円。
[^4]: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者の所定内給与額(月額、企業規模計10人以上)。男女計の平均340.6千円・中位数296.6千円、男性の中位数325.8千円、女性の中位数260.3千円。年齢階級別の中位数・四分位数は同調査の統計表(一般労働者・産業大分類 第3表「学歴、年齢階級、所定内給与額階級別労働者数及び所定内給与額の分布特性値」産業計)による。