
同期と給料の話になったとき、「みんな、実際どれくらいもらっているんだろう」と気になったことはありませんか。
ネットで調べても出てくるのは「20代の平均年収は〇〇万円」ばかりです。でも平均は高い人に引っ張られますし、20代前半と後半をまとめてしまうと、社会人1年目と入社7年目が同じ枠に入ってしまいます。これでは自分の位置はわかりません。
先に結論をお伝えします。厚生労働省の調査による20代の給料の中央値(所定内給与額・月額)は、20〜24歳で23.84万円、25〜29歳で26.79万円です[^1][^2]。さらに「真ん中の半分の人」の範囲まで見ると、20〜24歳は21.10万〜26.73万円、25〜29歳は23.28万〜30.81万円。この記事では、平均ではなく中央値と四分位で、同世代の中の自分の位置を確かめます。
なお、ここで扱う所定内給与額は「残業代と賞与を含まない月額」です。年収とは別物なので、比べるときは注意してください。
まず、20代を5歳刻みで見た数字です。中央値とは、高い順に並べてちょうど真ん中に来る人の金額のことです。
| 年齢 | 中央値(男女計) | 平均(男女計) | 中央値と平均の差 |
|---|---|---|---|
| 〜19歳 | 20.56万円 | 20.83万円 | 0.27万円 |
| 20〜24歳 | 23.84万円 | 24.28万円 | 0.44万円 |
| 25〜29歳 | 26.79万円 | 27.94万円 | 1.15万円 |
| (参考)30〜34歳 | 29.14万円 | 31.23万円 | 2.09万円 |
20代前半と後半の差は2.95万円。5年で約3万円の上積みです。年間にすると約35万円になります。
この表でもうひとつ見てほしいのが、右端の「中央値と平均の差」です。20〜24歳ではわずか0.44万円しか離れていませんが、25〜29歳では1.15万円、30代前半では2.09万円と開いていきます。差が小さいということは、その年代では給料がまだ横並びに近いということ。20代前半は、平均を見ても中央値を見てもほとんど同じという、実は珍しい年代なのです。
ちなみに、20代を合算した「20代全体の中央値」は公表されていません。5歳刻みで見るのが正確です。会社員全体の給料の中央値はこちらで解説しています。

中央値だけでは、自分が真ん中からどれくらい離れているかがわかりません。そこで使うのが四分位です。第1四分位(下から25%の位置)と第3四分位(上から25%の位置)にはさまれた範囲が、ちょうど真ん中の半分の人がいる帯になります。
| 年齢 | 第1四分位 | 中央値 | 第3四分位 | 真ん中50%の幅 |
|---|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 21.10万円 | 23.84万円 | 26.73万円 | 5.63万円 |
| 25〜29歳 | 23.28万円 | 26.79万円 | 30.81万円 | 7.53万円 |
読み方はこうです。20〜24歳なら、4人に2人が21.10万〜26.73万円のあいだにいます。もし月給が21万円台なら「下から4分の1あたり」、27万円あれば「上から4分の1に入っている」と判断できます。
25〜29歳になると、幅が5.63万円から7.53万円へ広がります。全体が底上げされると同時に、少しずつ差もつき始めるということです。この広がりは30代でさらに加速しますが、20代のうちはまだ緩やかです。
具体例で見ると、こうなります。
20代の給料は、初任給という共通のスタート地点から始まります。令和7年の初任給(所定内給与額)は次のとおりです[^1]。
| 学歴 | 初任給(男女計) | 20〜24歳の中央値との差 |
|---|---|---|
| 高校 | 20.73万円 | −3.11万円 |
| 専門学校 | 23.07万円 | −0.77万円 |
| 高専・短大 | 23.55万円 | −0.29万円 |
| 大学 | 26.23万円 | +2.39万円 |
| 大学院 | 29.90万円 | +6.06万円 |
ここで気づいてほしいのは、大学卒の初任給26.23万円が、すでに20〜24歳の中央値23.84万円を上回っているという点です。つまり大卒で就職した1年目の時点で、同年代の真ん中より上に立っています。20〜24歳という区分には、高校卒で18歳から働いている人も含まれるためです。
逆に高校卒の初任給20.73万円は、20〜24歳の第1四分位21.10万円をやや下回るところからのスタートです。ただしこの差は経験年数とともに縮まっていきます。同じ22歳でも、大卒は社会人1年目、高卒は4年目。スタート地点の差と、その後の伸びは別の話です。
社会人になりたての時期のお金の実態は、新社会人の貯金の記事でも扱っています。
ここまでは月額の話でした。年収ベースで見ると、20代の伸び方はもっと劇的です[^3]。
| 年齢 | 平均年収(男女計) | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|
| 19歳以下 | 118万円 | 144万円 | 96万円 |
| 20〜24歳 | 277万円 | 295万円 | 258万円 |
| 25〜29歳 | 407万円 | 438万円 | 370万円 |
| 30〜34歳 | 449万円 | 512万円 | 362万円 |
20〜24歳の277万円から、25〜29歳の407万円へ。その差は130万円です。30〜34歳への伸びが42万円であることを考えると、この5年間の跳ね方は突出しています。
月額の中央値は23.84万円から26.79万円へ、わずか2.95万円しか伸びていないのに、なぜ年収は130万円も増えるのでしょうか。理由は主に3つです。
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| 賞与の本格化 | 入社1年目は査定期間が短く、賞与が満額出ないことが多い。2年目以降にフルで支給されるようになる |
| 残業代の増加 | 仕事を任される量が増え、所定内給与に含まれない残業代が上乗せされる |
| 就業月数 | 20〜24歳には、その年に就職して数か月しか働いていない人が多く含まれ、年収の平均を押し下げる |
つまり年収の伸びの多くは、基本給ではなく「所定内給与に含まれない部分」から来ているわけです。所定内給与額(月額)は残業代も賞与も含まないので、月給の伸びが穏やかに見えるのは当然なのです。
ここで大事な注意があります。所定内給与額を12倍しても年収にはなりません。12倍すれば賞与も残業代も抜けますし、そもそも2つの調査は対象者の範囲が違います。月額は月額、年収は年収として、別々に自分の位置を確認してください。
年収400万円が全体の中でどのあたりかは、こちらで解説しています。25〜29歳の平均407万円がどんな位置なのか、イメージがつかめます。
給料の男女差はよく話題になりますが、20代に限ると、その差は驚くほど小さいのが実情です。
| 年齢 | 中央値(男) | 中央値(女) | 差 |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 24.12万円 | 23.50万円 | 0.62万円 |
| 25〜29歳 | 27.43万円 | 25.93万円 | 1.50万円 |
| (参考)35〜39歳 | 33.41万円 | 27.06万円 | 6.35万円 |
| (参考)45〜49歳 | 37.52万円 | 27.61万円 | 9.91万円 |
20〜24歳の男女差はわずか0.62万円。月6千円ほどです。25〜29歳でも1.50万円にとどまります。ところが35〜39歳では6.35万円、45〜49歳では9.91万円まで開きます。
差が開くのは20代ではなく、30代以降です。20代の給料を見るときは、性別より「何歳か」「どの学歴でいつ働き始めたか」のほうが効いてきます。
年収全体で見た自分の位置を確かめたい方は、年収の中央値の記事もあわせてご覧ください。
給料の位置がわかったら、次に見たいのは「そこからいくら残せているか」です。20代は給料そのものが大きくないぶん、額よりも残す習慣が効いてくる時期です。
25歳・月給26.79万円(中央値)を例に、ざっくり計算してみます。手取りは額面のおよそ8割が目安なので[^4]、月の手取りは約21.4万円。ここから毎月2万円を貯めれば年24万円、5年で120万円になります。
| 毎月の貯蓄額 | 1年後 | 5年後 |
|---|---|---|
| 1万円 | 12万円 | 60万円 |
| 2万円 | 24万円 | 120万円 |
| 3万円 | 36万円 | 180万円 |
| 5万円 | 60万円 | 300万円 |
20代のうちは給料の伸びしろが大きい一方で、家賃や交際費の負担も重い時期です。無理な目標を立てるより、手取りの1割から始めて、昇給ぶんを上乗せしていくほうが続きます。25〜29歳で月給が約3万円上がるなら、そのうち1万円を貯蓄に回すだけでもペースは変わります。
同世代が実際にいくら貯めているかは、20代の貯金の中央値でご確認ください。
貯金・年収・給料の中央値をまとめて確認したいときは、こちらの早見表が便利です。自分に近い「等身大の基準」がひと目でわかります。

Q. 20代の給料の中央値はいくらですか?
所定内給与額(月額)で、20〜24歳が23.84万円、25〜29歳が26.79万円です。20代をまとめた中央値は公表されていないため、5歳刻みで確認するのが正確です。
Q. 所定内給与額と年収は何が違うのですか?
所定内給与額は残業代と賞与を含まない月額です。年収にはそれらがすべて含まれるため、所定内給与額を12倍しても年収にはなりません。2つは別の調査によるもので、対象者の範囲も異なります。
Q. 25歳で月給25万円は少ないですか?
25〜29歳の第1四分位が23.28万円、中央値が26.79万円なので、その中間あたりです。下から4分の1よりは上、真ん中よりはやや下という位置になります。年齢が25歳ちょうどであれば、この区分の中では若いほうなので、平均的な水準と考えて差し支えありません。
Q. 20代で給料に男女差はありますか?
中央値で見ると、20〜24歳で0.62万円、25〜29歳で1.50万円とごくわずかです。差が本格的に開くのは30代以降で、35〜39歳では6.35万円になります。
この記事の月額データは、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2026年3月24日公表)にもとづく、一般労働者の所定内給与額(月額、企業規模計10人以上)です。所定内給与額には残業代・賞与が含まれません。したがって、この金額を12倍しても年収にはならない点に十分ご注意ください。また対象は一般労働者(フルタイム)であり、短時間労働者は含まれません。
年齢階級別の中央値・四分位は、同調査の統計表(一般労働者・産業大分類 第3表「学歴、年齢階級、所定内給与額階級別労働者数及び所定内給与額の分布特性値」産業計)によります。「20代の中央値」という合算値は公表されていないため、本記事では20〜24歳と25〜29歳を分けて示しています。
年収の数値は国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」による平均給与であり、中央値ではありません。2つの調査は実施主体も対象者も異なるため、月額と年収を直接つなげて比較することはできません。傾向をつかむための参考としてお読みください。
[^1]: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者の所定内給与額(月額、企業規模計10人以上)。所定内給与額は残業代・賞与を含まない。
[^2]: 同調査の統計表(一般労働者・産業大分類 第3表「学歴、年齢階級、所定内給与額階級別労働者数及び所定内給与額の分布特性値」産業計)による。
[^3]: 国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」(令和7年9月公表)。1年を通じて勤務した給与所得者5,136万人が対象。年齢階層別の数値は平均給与。
[^4]: 手取りは概算・目安です。額面から社会保険料(約15%)と所得税・住民税を差し引いた金額で、扶養家族の有無・居住地・年齢によって変わります。