
ひとりで子どもを育てながら家計を回すのは、本当に大変なこと。「うちの収入って、他のひとり親家庭と比べてどうなんだろう」と気になったとき、平均だけでなく中央値で見ると実態がつかみやすくなります。
先に結論をお伝えします。母子世帯(ひとり親世帯)の所得は、中央値298万円、平均339万円です[^1]。全世帯の中央値410万円と比べると低い水準ですが、その背景と、使える支援、限られた収入での工夫を整理していきます。
厚生労働省の2024年(令和6年)国民生活基礎調査によると、母子世帯の所得は平均339.2万円、中央値298万円です[^1](2023年の1年間の所得)。
全世帯の中央値410万円と比べると、100万円以上低い水準です。ひとりの稼ぎで家計を支えるうえ、子育てとの両立で働ける時間が限られやすいことが、この差の主な背景です。ここでも平均339万円と中央値298万円に差があり、実態に近いのは中央値298万円のほうです(母子世帯は調査上の客体が少なく、数値は目安として捉えてください)。
母子世帯の所得が低くなりやすい理由は、主に2つあります。
ひとつは、収入源がひとりであること。共働き世帯なら2つある収入源が、ひとり親世帯では1つ。世帯としての稼ぐ力が、構造的に小さくなります。もうひとつは、働き方の制約。子どもの送り迎えや世話のため、フルタイムや残業の多い働き方を選びにくく、非正規雇用になりやすい面もあります。これは本人の努力の問題ではなく、ひとりで担うことの構造的な難しさです。
限られた収入を補うために、ひとり親世帯には公的な支援制度が用意されています。代表的なものを知っておくだけでも、家計の見え方が変わります。
まず、児童扶養手当。ひとり親世帯を対象にした手当で、所得に応じて支給されます。次に、医療費の助成(ひとり親家庭等医療費助成)や、就学援助、自治体独自の家賃補助など。さらに、高等職業訓練促進給付金のように、資格取得を目指す間の生活を支える制度もあります。
これらは自治体の窓口で申請するものが多く、内容や金額は年度・自治体で異なります。まずはお住まいの自治体の「ひとり親支援」の窓口やサイトで、対象になる制度を確認してみてください。
収入を大きく増やすのが難しい局面では、固定費を軽くして「使えるお金」を増やすのが効果的です。家賃・通信費・保険などを見直せば、一度の手間でずっと効き続けます。

そのうえで、少額でも先取り貯金を続けると、いざというときの備えになります。まずは生活費の数ヶ月分を目標に、無理のない範囲から始めるのがおすすめです。教育費の準備には、新NISAのような制度を少額から使うのも一案です。

要点を整理します。
Q. 母子世帯(ひとり親)の年収の中央値はいくら?
中央値298万円、平均339万円です(2024年国民生活基礎調査)。全世帯の中央値410万円より低く、調査上の客体が少ないため目安として捉えてください。
Q. なぜ全世帯より収入が低いの?
収入源がひとりであること、子育てとの両立で働ける時間が制約され非正規になりやすいことが主な背景です。本人の努力ではなく、ひとりで担うことの構造的な難しさによるものです。
Q. どんな支援が使える?
児童扶養手当、ひとり親家庭等医療費助成、就学援助、資格取得を支える給付金などがあります。内容・金額は自治体や年度で異なるため、お住まいの自治体のひとり親支援窓口で確認するのが確実です。
本記事の所得金額は、厚生労働省「2024年(令和6年)国民生活基礎調査」の詳細統計表(所得票 第21表)によるものです。所得は2023年(令和5年)1年間の1世帯当たりの総所得です。母子世帯は「死別・離別・その他の理由で、現に配偶者のいない65歳未満の女(配偶者が長期不在の場合等を含む)と20歳未満のその子のみで構成している世帯」を指し、調査上の客体が少ないため数値の利用には注意が必要とされています。支援制度の内容・支給額は年度や自治体により異なります。
[^1]: 厚生労働省「2024年(令和6年)国民生活基礎調査」詳細統計表(所得票 第21表)。母子世帯の1世帯当たり平均所得金額339.2万円、中央値298万円。全世帯の中央値は410万円。母子世帯は客体が少ないため数値の使用には注意との注記あり。