
「老後は年金でなんとかなる」と思っていませんか。実際に高齢者世帯がいくらで暮らしているのか、そして収入のどれくらいを年金に頼っているのかを、データで確かめてみましょう。老後のイメージがぐっと具体的になります。
先に結論をお伝えします。高齢者世帯の所得は、中央値253万円、平均315万円[^1]。しかも、その所得の63.5%は公的年金・恩給で、年金を受給している高齢者世帯の43.4%は年金だけで暮らしています[^1]。現役世代にとっても他人事ではない数字です。
厚生労働省の2024年(令和6年)国民生活基礎調査によると、高齢者世帯の所得は平均314.8万円、中央値253万円です[^1](2023年の1年間の所得)。ここでいう高齢者世帯とは、65歳以上の人だけで構成される世帯(または、そこに18歳未満の未婚の人が加わった世帯)を指します。
全世帯の中央値410万円と比べると、かなり低い水準。現役を引退して年金が主な収入になるため、当然といえば当然です。ここでも平均315万円と中央値253万円には差があり、一部の資産・収入が多い高齢者世帯が平均を押し上げています。実態に近いのは中央値253万円です。
高齢者世帯の家計の特徴が、収入源の内訳です。所得のうち、公的年金・恩給が占める割合は63.5%[^1]。つまり、高齢者世帯の収入の6割超は年金でできています。残りは働いて得る収入(稼働所得)や、財産所得などです。
さらに踏み込むと、年金を受給している高齢者世帯のうち、公的年金・恩給だけで生活している世帯(所得の100%が年金)が43.4%[^1]。年金のみで暮らす世帯が4割超もいるということです。老後の家計は、思っている以上に年金頼みなのが現実なんです。
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このデータが現役世代に教えてくれるのは、年金だけに頼る老後は、収入がかなり絞られるということ。中央値253万円=月にならすと約21万円で、持ち家か賃貸か、健康状態などによって、ゆとりは大きく変わります。
だからこそ、現役のうちに「年金に上乗せする自分の備え」を作っておくことが重要です。効くのは次の2つです。
まず、iDeCo。掛金が全額所得控除になり、節税しながら老後資金を積み立てられます。年金の上乗せをつくる王道の制度です。

そして、新NISAでの長期積立。少額でも早く始めるほど、複利で大きく育ちます。年金+iDeCo+NISAの3階建てで備えるのが、これからの老後準備の基本形です。

要点を整理します。
Q. 高齢者世帯の年収の中央値はいくら?
中央値253万円、平均315万円です(2024年国民生活基礎調査)。全世帯の中央値410万円より低く、月にならすと約21万円が真ん中の水準です。
Q. 高齢者世帯は収入をどれくらい年金に頼っているの?
所得の63.5%が公的年金・恩給です。さらに年金を受給している高齢者世帯の43.4%は、年金・恩給だけで生活しています。老後の家計は年金中心になるのが実態です。
Q. 現役のうちに何を準備すればいい?
iDeCoとNISAで「年金に上乗せする備え」を作るのが基本です。iDeCoは掛金が全額所得控除、NISAは長期の積立で複利を活かせます。早く始めるほど有利です。
本記事の所得金額・構成割合は、厚生労働省「2024年(令和6年)国民生活基礎調査」によるものです。所得は2023年(令和5年)1年間の1世帯当たりの総所得で、「高齢者世帯」は65歳以上の者のみで構成するか、これに18歳未満の未婚の者が加わった世帯を指します。平均所得金額・年金の構成割合・年金のみで生活する世帯割合は概況本体、中央値は詳細統計表(所得票 第21表)によります。
[^1]: 厚生労働省「2024年(令和6年)国民生活基礎調査」。高齢者世帯の1世帯当たり平均所得金額314.8万円、中央値253万円(所得票 第21表)。所得に占める公的年金・恩給の割合63.5%、公的年金・恩給を受給している高齢者世帯のうち公的年金・恩給のみで生活する世帯の割合43.4%。全世帯の中央値は410万円。