
「男女の賃金格差」はニュースでよく聞くテーマですが、平均値で語られることがほとんど。平均は一部の高給取りに引っ張られるので、実態は中央値で見たほうが正確です。実際、男女の給料の中央値はどれくらい違うのでしょうか。
先に結論をお伝えします。会社員(一般労働者)の給料の中央値は、男性が月31.7万円、女性が月25.1万円[^1]。女性は男性の約79%です。ここでいう給料は「所定内給与」(残業代・ボーナスを除く月額)です。この差がどこから生まれるのか、順に見ていきましょう。
厚生労働省の2024年(令和6年)賃金構造基本統計調査によると、一般労働者の所定内給与額(月額)の中央値は、男女でこう違います[^1]。
| 区分 | 中央値 | 平均値 |
|---|---|---|
| 男性 | 31.7万円 | 36.3万円 |
| 女性 | 25.1万円 | 27.5万円 |
| 男女計 | 28.7万円 | 33.0万円 |
男性の中央値31.7万円に対し、女性は25.1万円。差は月6.6万円ほどで、女性は男性の約79%の水準です。男女それぞれで見ても、平均より中央値のほうが低く出るのは、これまでの記事と同じく一部の高給取りが平均を押し上げているからです。
興味深いのは、平均で見ると男女差がさらに大きく見えることです。平均だと男性36.3万円・女性27.5万円で、女性は男性の約76%。中央値(約79%)より差が広がります。
これは、男性側に特に高い給料の人(役員・高年収の専門職など)が多く、その人たちが男性の平均をより強く押し上げているため。つまり、男女差を正しくつかむにも中央値のほうが適しているわけです。とはいえ、中央値で見ても約2割の差が残るのは事実です。
この差は「同じ仕事で女性だけ給料が低い」という単純な話ではなく、複数の要因が積み重なっています。主なものを挙げると、次のとおりです。
まず、役職の違い。管理職に占める女性の割合がまだ低く、役職手当のつく高給ポジションに男性が多い。次に、勤続年数の違い。出産・育児などでキャリアが中断しやすく、勤続年数に応じて上がる給与カーブで差が出ます。さらに、職種の構成。相対的に給与水準の高い職種に男性が多い傾向があります。
なお、この記事の数字はフルタイムの一般労働者が対象で、パートなど短時間労働者は含みません。短時間労働者を含めると、男女差はさらに大きく見える点にも注意が必要です。
男女差は社会全体で少しずつ縮まってきていますが、個人としてできるのは、今の給料(手取り)をどう活かすかに集中すること。給料の額面が中央値でも、固定費を抑えて先取り貯金の仕組みを作れば、資産は着実に増やせます。


要点を整理します。
Q. 男女で給料の中央値はどれくらい違う?
所定内給与(月額)の中央値は、男性31.7万円・女性25.1万円で、女性は男性の約79%です。差は月6.6万円ほどです。
Q. なぜ平均だと男女差が大きく見えるの?
男性側に特に高給の人が多く、男性の平均をより強く押し上げるためです。平均だと女性は男性の約76%ですが、中央値では約79%と、やや差が縮まって見えます。実態に近いのは中央値です。
Q. 男女差はなぜ生まれるの?
役職に占める女性割合の低さ、出産・育児によるキャリア中断で生じる勤続年数の差、給与水準の高い職種の男女構成の違いなどが積み重なった結果です。
本記事の給与額は、厚生労働省「令和6年(2024年)賃金構造基本統計調査」の一般労働者(企業規模計10人以上)の所定内給与額によるものです。所定内給与額は残業代・賞与を含まない月額です。対象はフルタイムの一般労働者で、短時間労働者は含みません。中央値・平均値はいずれも同調査に基づきます。
[^1]: 厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」一般労働者の所定内給与額(月額、企業規模計10人以上)。中央値(中位数)は男性316.7千円・女性251.3千円・男女計287.2千円、平均値は男性363.1千円・女性275.3千円・男女計330.4千円。