
「日本の平均年収は478万円」。このニュースを見て、「え、自分はそんなにもらってないけど…」と思った人。安心してください。そう感じる人のほうが多数派です。
先に結論をお伝えします。国税庁のデータから計算すると、年収の中央値はおよそ413万円。そして平均478万円に届いていない人が約6割(60.0%)います[^1]。平均年収は、真ん中の人の年収ではないんです。
この記事では、中央値で見た「本当の年収」と、自分が上位何%にいるのかを確かめます。
国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者5,136万人の平均給与は478万円です[^1]。
この調査は、年収を階級ごとに区切った人数も公表しています。そこから「真ん中の人」の年収を計算すると、中央値はおよそ413万円。平均との差は約65万円です[^2]。
| 区分 | 平均給与 | 中央値(推計) | 差 |
|---|---|---|---|
| 男女計 | 478万円 | 約413万円 | 約65万円 |
| 男性 | 587万円 | 約507万円 | 約80万円 |
| 女性 | 333万円 | 約297万円 | 約36万円 |
男性は平均587万円に対して中央値507万円、女性は平均333万円に対して中央値297万円。どの区分でも、平均は真ん中より高い位置に来ます。
ここがこの記事でいちばんお伝えしたい数字です。年収を低いほうから並べていくと、こうなります[^1]。
| 年収の階級 | 人数 | 構成比 | ここまでの累計 |
|---|---|---|---|
| 100万円以下 | 393万人 | 7.7% | 7.7% |
| 100万円超〜200万円 | 571万人 | 11.1% | 18.8% |
| 200万円超〜300万円 | 677万人 | 13.2% | 31.9% |
| 300万円超〜400万円 | 826万人 | 16.1% | 48.0% |
| 400万円超〜500万円 | 787万人 | 15.3% | 63.3% |
| 500万円超〜600万円 | 606万人 | 11.8% | 75.1% |
| 600万円超〜700万円 | 391万人 | 7.6% | 82.7% |
| 700万円超〜800万円 | 271万人 | 5.3% | 88.0% |
| 800万円超〜900万円 | 174万人 | 3.4% | 91.4% |
| 900万円超〜1,000万円 | 121万人 | 2.4% | 93.8% |
| 1,000万円超 | 320万人 | 6.2% | 100.0% |
年収400万円までで、すでに48.0%。つまり半分近くの人が年収400万円以下です。そして平均の478万円の位置は、下から数えて60.0%のところ[^2]。
平均に届いていない人が6割。これが「平均年収」の正体です。届いていなくても、まったく普通です。
自分の位置をひと目でつかめるように、早見表にしました。「100人が集まったら何番目か」で書いています[^2]。
| 年収 | 上位何% | 100人中の順位 |
|---|---|---|
| 200万円 | 上位81.2% | 81番目 |
| 300万円 | 上位68.1% | 68番目 |
| 400万円 | 上位52.0% | 52番目 |
| 413万円(中央値) | 上位50.0% | 50番目 |
| 478万円(平均) | 上位40.0% | 40番目 |
| 500万円 | 上位36.7% | 37番目 |
| 600万円 | 上位24.9% | 25番目 |
| 700万円 | 上位17.3% | 17番目 |
| 800万円 | 上位12.0% | 12番目 |
| 900万円 | 上位8.6% | 9番目 |
| 1,000万円 | 上位6.2% | 6番目 |
| 1,500万円 | 上位1.7% | 2番目 |
たとえば年収500万円なら、100人中37番目。「平均478万円をちょっと超えたくらい」と思っていた人も、実は上位4割に入っているとわかります。年収1,000万円は上位6.2%、つまり100人に6人です。
理由はシンプルで、一部の高年収層が平均を引き上げるからです。
具体例で考えてみましょう。5人の年収が280万・350万・400万・450万円、そして1人だけ2,500万円だったとします。この6人の平均は約738万円。でも「平均738万円」と言われて、5人は「うちはぜんぜん違う」と感じますよね。真ん中=中央値は375万円。こちらのほうが実感に近いはずです。
実際のデータでも、年収1,000万円超の人が320万人(6.2%)、そのうち2,000万円超が32万人います。この層が全体の平均を押し上げているんです。分布が上に長く伸びる形をしているとき、平均は必ず真ん中より高くなります。
世帯単位で見た年収でも、同じことが起きています。
年収の分布がここまで広がるもう一つの理由が、雇用形態です[^1]。
| 区分 | 平均給与 | 人数 |
|---|---|---|
| 正社員(正職員) | 545万円 | 3,431万人 |
| 正社員以外 | 206万円 | 1,256万人 |
その差は339万円、倍率にして約2.6倍。「年収100万円以下」が393万人(7.7%)もいるのは、この層の多くがパート・アルバイトなど短時間勤務の人だからです。
つまり「日本の年収」をひとまとめに語ること自体に無理があります。自分と近い条件の中央値を見るほうが、ずっと参考になります。
年収には残業代や賞与が含まれるため、月々の給料の感覚とはズレます。毎月決まって支払われる給料(所定内給与)で見ると、中央値は月29.7万円です。
そして額面から社会保険料や税金が引かれた「手取り」は、額面のおよそ75〜80%。年収413万円なら、手取りはおよそ320〜330万円が目安です。
年収が中央値でも、資産は着実に増やせます。大事なのは額面の大きさより、手取りから何割を先に取り分けるかという仕組みです。
手取りの1〜2割を先取りで貯金に回せば、年収413万円(手取り約325万円)でも年間32万〜65万円のペース。年代別の貯金の中央値と比べれば、自分のペースが速いか遅いかもわかります。
要点を整理します。
貯金・年収・給料の中央値をまとめて確認したいときは、こちらの早見表が便利です。自分に近い「等身大の基準」がひと目でわかります。
Q. 年収の中央値はいくら?
給与所得者(1年を通じて勤務した人)でおよそ413万円です。平均は478万円ですが、一部の高年収層に引き上げられており、真ん中の人は約413万円。平均との差は約65万円あります。
Q. 年収500万円は上位何%?
上位36.7%です。100人が集まったら37番目にあたります。平均478万円を少し超えたくらいの感覚でも、実際には上位4割に入っています。
Q. 年収1,000万円はどれくらい珍しい?
上位6.2%、100人に6人ほどです。給与所得者5,136万人のうち、年収1,000万円を超えるのは約320万人にとどまります。
Q. 平均年収に届いていないのは普通のこと?
普通です。平均478万円に届いていない人は約6割います。中央値413万円に届いていれば、それだけで「真ん中より上」です。
本記事の平均給与・給与階級別の人数は、国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」(令和7年9月公表)によるものです。対象は「1年を通じて勤務した給与所得者」5,136万人で、年の途中で就職・退職した人は含みません。給与は源泉徴収の対象となった給料・手当および賞与の合計(額面)で、社会保険料・税を差し引く前の金額です。また、同調査は標本調査であり、公表値は推計値です。
なお、同調査は年収の中央値そのものを公表していません。本記事の中央値(約413万円)および「上位何%」の数値は、同調査が公表している給与階級別の給与所得者数(実人数)をもとに、各階級内で人数が均等に分布すると仮定して当サイトが算出した推計値です。階級の幅が100万円あるため、実際の値とは数万円程度の誤差が生じる可能性があります。公表値そのものではない点にご留意ください。
[^1]: 国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」。1年を通じて勤務した給与所得者5,136万人(男2,925万人・女2,212万人)、平均給与478万円(男587万円・女333万円)、正社員545万円・正社員以外206万円。給与階級別の給与所得者数は同調査 第16表および統計表 第3表による。
[^2]: 中央値・累積構成比・上位◯%は、上記 統計表 第3表の階級別給与所得者数(実人数、男女計51,365,699人)から当サイトが線形補間により算出。男女計の中央値412.9万円、男性506.8万円、女性297.0万円。平均478万円の位置は下から60.0%。