
「日本の平均給与は◯◯万円」という数字を見て、「自分はそんなにもらってない…」と感じたことはありませんか。実は給料こそ、平均で見ると実態からズレやすい代表格です。中央値で見てみましょう。
先に結論をお伝えします。会社員(フルタイムの一般労働者)の給料の中央値は月29.7万円。平均は34.1万円ですが、真ん中の人は29.7万円です[^1]。ここでいう給料は「所定内給与」(残業代やボーナスを除いた、毎月決まって支払われる基本的な給与)を指します。この記事で、中央値で見る「本当の給料の位置」を確かめましょう。
厚生労働省の令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査によると、一般労働者の所定内給与額は平均34.06万円、中央値29.66万円です[^1](月額)。
平均と中央値の差は約4.4万円。給料でも、平均は真ん中より高い位置に来ます。「平均34万円」を基準にすると多くの人が「自分は下」と感じますが、中央値29.7万円で見れば、そこに届いていれば「ちょうど真ん中」なんです。
ちなみに前年(令和6年)は平均33.04万円・中央値28.72万円でしたから、1年で中央値は約9,400円上がった計算になります[^1]。
なお、これは残業代やボーナスを含まない「所定内給与」の月額です。実際の月収や年収はこれに残業代・賞与が加わります。
中央値だけでなく、給料の散らばりも見てみましょう。四分位数を使うと、こうなります[^1]。
| 区分 | 所定内給与(月額) |
|---|---|
| 下位1/10(第1十分位) | 20.0万円 |
| 下位1/4(第1四分位) | 23.8万円 |
| 真ん中(中央値) | 29.7万円 |
| 上位1/4(第3四分位) | 39.0万円 |
| 上位1/10(第9十分位) | 52.7万円 |
これは、給料が低いほうから並べて、真ん中の半分の人が月23.8万〜39.0万円の範囲に入るという意味です。自分の給料がこの範囲のどこにあるかを見れば、「真ん中より上か下か」がすぐ分かります。平均34.1万円という1点だけで判断するより、ずっと自分の位置をつかみやすいですよね。
給料は年齢とともに変わります。5歳刻みの中央値を並べると、こうなります[^2]。
| 年齢 | 中央値(月額) | 真ん中の半分の範囲 |
|---|---|---|
| 20〜24歳 | 23.8万円 | 21.1万〜26.7万円 |
| 25〜29歳 | 26.8万円 | 23.3万〜30.8万円 |
| 30〜34歳 | 29.1万円 | 24.5万〜34.8万円 |
| 35〜39歳 | 31.0万円 | 25.4万〜38.5万円 |
| 40〜44歳 | 32.6万円 | 26.0万〜41.7万円 |
| 45〜49歳 | 33.5万円 | 26.1万〜44.0万円 |
| 50〜54歳 | 34.6万円 | 26.2万〜46.3万円 |
| 55〜59歳 | 34.7万円(ピーク) | 25.5万〜47.8万円 |
| 60〜64歳 | 27.8万円 | 22.3万〜37.4万円 |
全体の中央値29.7万円は、ちょうど30代前半の水準にあたります。つまり「平均以下だ」と感じている30代の多くは、実は同年代の真ん中にいるということ。比べる相手を「全年齢の平均」から「自分の年代の中央値」に変えるだけで、見え方はまったく変わります。
もうひとつ注目したいのが、右の「真ん中の半分の範囲」です。20代前半では5.6万円の幅しかないのに、50代後半では22.3万円の幅に広がります。同じ年代の中でも、年齢が上がるほど差が開いていくんです。年代別の詳しい解説はこちらからどうぞ。
理由は、他の記事でも見てきた「平均のカラクリ」と同じ。一部の高給取りが平均を引き上げるからです。
具体例で言うと、5人の給料が22万・25万・28万・32万円、そして1人が80万円だったとします。平均は37.4万円ですが、4人は「そんなにもらってない」と感じるはず。真ん中=中央値は28万円。給料の世界でも、役員クラスや高年収の専門職が「80万円」の役割を果たし、平均を押し上げています。
実際、上位1割のライン(第9十分位)は52.7万円。中央値29.7万円のおよそ1.8倍です。この層が平均を引き上げているわけです。
だからこそ、「平均給与に届かない」と落ち込む必要はありません。年収ベースで見ても同じことが起きています。
大事なのは、額面の給料そのものより「手取りでいくら残り、そこからいくら貯められるか」です。給料の額面から社会保険料や税金が引かれた手取りの目安は、こちらで解説しています。

そして、手取りの1〜2割を先取り貯金に回せば、給料が中央値でも着実に資産は増えます。年代別の貯金の中央値と合わせて、自分のペースを確認してみてください。

要点を整理します。
貯金・年収・給料の中央値をまとめて確認したいときは、こちらの早見表が便利です。自分に近い「等身大の基準」がひと目でわかります。

Q. 会社員の給料の中央値はいくら?
所定内給与(残業代・ボーナスを除く月額)で月29.66万円です。平均は34.06万円ですが、一部の高給取りに引き上げられており、中央値のほうが「真ん中の人」に近い数字です。
Q. 自分の給料が平均以下でも普通?
普通です。平均34.06万円は真ん中より高く、中央値は29.66万円。真ん中の半分の人は月23.8万〜39.0万円の範囲に入ります。この範囲にいれば標準的です。
Q. 給料の中央値は年代でどれくらい違う?
20〜24歳の23.8万円から、55〜59歳の34.7万円までが上昇局面です。ピークは55〜59歳で、60〜64歳では27.8万円へ約2割下がります。
Q. この給料に残業代やボーナスは含まれる?
含まれません。ここでの数字は「所定内給与」(毎月決まって支払われる基本的な給与の月額)です。実際の月収・年収には、これに残業代と賞与が加わります。
本記事の給与額は、厚生労働省「令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査」の一般労働者(企業規模計10人以上)の所定内給与額によるものです。所定内給与額は、きまって支給する現金給与額から超過労働給与額(残業代等)を除いた月額で、賞与は含みません。平均値・中央値・四分位数はいずれも同調査によります。年収の中央値は、賞与の中央値が公表されていないため本記事では算出していません(年収ベースの中央値は国税庁データをもとにした別記事で扱っています)。
[^1]: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者の所定内給与額(月額、企業規模計10人以上、男女計)。平均340.6千円、中央値(中位数)296.6千円、第1十分位数199.9千円、第1四分位数238.2千円、第3四分位数389.8千円、第9十分位数527.3千円。前年(令和6年)は平均330.4千円、中央値287.2千円。
[^2]: 年齢階級別の中位数・四分位数は、同調査の統計表(一般労働者・産業大分類 第3表「学歴、年齢階級、所定内給与額階級別労働者数及び所定内給与額の分布特性値」産業計、学歴計・男女計)による。